スポンサー営業

私は以前に某スポーツクラブの営業として勤務をしていました。そのクラブはJリーグの某チームとの提携クラブで、育成年代である中学生にサッカーを指導したり、サッカースクールを行っている会社でした。私は、そのクラブのスポンサー営業をしていたのです。主な仕事は、地元のクラブのために地域の会社やお店を回り、宣伝をする代わりにスポンサー料をいただくというものでした。

しかし、プロチームではないため宣伝といっても制限が多く、ほとんど地元の子供たちを応援してくださいという寄付に近い物でした。
当時の私は、地域スポーツに携わりたいと思っていました。また、若かったこともあり商品や品物を販売しない営業というものを、経験することは今後のためにとても貴重な体験になると思い入社を決めました。

営業の基本スタイルは飛び込み営業でした。しかも、地元のスポーツクラブに出資してください、代わりに宣伝しますというあまりなじみがないものでした。小さいクラブだったため、営業は私と社長のみで、営業のノウハウをしっかり学ぶこともなく、ひとりで営業をすることになりました。毎日飛び込み営業を繰り返していき、経験を積んでいくという感じでした。今思うとかなり無謀な感じがしますが、当時はとにかくがむしゃらに営業をしていました。

日々飛び込みで営業をしていると、お前のやっていることは仕事じゃないとかそんなことやって何になるのかなど、かなり辛辣なことを言われることも多くありました。その度に打ちひしがれ、子供たちの夢のため地域スポーツのためにと、自分を奮い立たせて仕事をしていました。
毎日営業をしていると悪いことばかりではなく、話を聞いて応援してくれる方やほぼメリットがないにも関わらずスポンサーになってくださる方々もいました。そんな人達に出会い、自分の行っていることは誰かのためになっていると感じるのは、とてもやりがいになりました。

この時の経験から営業というのは、人と人とのつながりやご縁を大切にしなければならないことや、点と点はいつかつながることがあるということを学びました。また、飛び込みでさまざまな会社やお店を訪れたことで、人や組織を見極めることができるようになったと感じます。